「帆船日本丸1960年の日米修好記念航海を語る」座談会(報告)
横浜市の帆船日本丸記念財団は、帆船日本丸が54年前に就航した「日米修好通商100年記念航海」を振り返り、乗船していた写真家・中嶋房徳氏の記録写真をもとに、当時の乗船者が講師を務める座談会を開催したので報告します。
座談会の開催は、2014年6月1日(日)午後、会場は横浜みなとみらい地区にある日本丸訓練センター、講師陣は54年前に帆船日本丸に乗り組んでいた2/O荒川 博、sailor只野邦夫、cadets立石健三、安田岩男、カメラマン中嶋房徳の5氏、入場無料で多数の聴衆が大型スクリーンに投影された記録写真と講師陣の思い出話を堪能しました。
ご承知のとおり、帆船日本丸一世は昭和5(1930)年に建造され、約54年間活躍し、昭和60(1985)年4月より、横浜みなとみらいのドックに現役当時のまま浮揚して保存し、一般公開しています。船の生活を体験する海洋教室や総帆展帆(年間12回)などを行い、座談会当日も総帆展帆が午前中から実施され、帆船のすばらしさ、楽しさを伝えています。
帆船日本丸のある日本丸メモリアルパークはJR桜木町の至近にあり、これまで年間延べ100万人以上の入場者で賑わう観光地です。船内の案内は、多数の海洋会員がボランタリーで組織する「帆船日本丸ガイドの会」が行い、見学者の質問に答えています。
座談会は安田岩男・元実習生が進行役となり、1960年4月2日東京出港から6月20日ニューヨーク出港までの帆走、課業、操練、船内生活、100年祭行事の記録4,000カットから抜粋した写真(40点)が大画面に投影され、それぞれの感想が披露されました。
太平洋上での端艇操練の船酔い、片手は船のため、片手は己のため行う展帆/縮帆作業、天測・タンツー課業、運動会・洗濯・就寝前の団らん、ボルチモア・ニューヨークでのパレード・・・講師陣の巧みな話術と秀逸なカメラアングルは50年以上の時差を吹き飛ばしていました。
これらの写真展は、帆船日本丸船内で2015年3月まで開催されます。 文責 横浜支部・斎藤徹郎