斎藤徹郎(さいとう てつろう)
横浜支部は、関係する海洋会会員1700余名を数え、毎年の支部の活動には支部委員70余名と共に延べ1200名以上が参加し、支部長は1932年以降16代目と続く大きな支部です。
海洋会所有の横浜海洋会館は、横浜市の歴史的建造物に認定され、テナント(6社)からの賃収は海洋会の収益に寄与し、3階の横浜マリンクラブでは海洋会会員のみならず全船協、海上保安庁、市港湾局、海上警察等との交流もあり、文化人・新聞社等のマスコミ関係者も一緒に飲むなど独特の雰囲気があります(海洋878号、及び、本号・第93回定時社員総会議案書ご参照)。
私は、在学中は端艇部と海事思想普及会に励み、アルバイトで日本海難防止協会の地方巡業運転手、築地魚河岸作業員等に励み、浅学にして菲才、未熟で粗忽で無器用者です。
にもかかわらず海洋会横浜支部長の大任を引き受けましたのは、海事への強い思いと諸先輩が創られた日本人船乗り魂を次世代に託す義務感から、豊田会長を補佐して会員各位の尊厳を守り、海国日本に少しでも役立てればとの愚者の一得です。
船員になることは亡父(東機92)のDNA故か、農林漁業者と同様疑問はありませんでした。
31年間の船社在籍中、国際海洋博覧会に出向して海上都市(アクアポリス)の住民(船員)の存在を通産官僚と共に予算化し、商船三井客船に出向して世界青年の船で各国の青年と交流し、横浜支店勤務で企業枠を超えて港の振興に参加できたことは偏に皆様の叱咤・激励のお蔭でありました。
海洋会が元気になるには、日本人全体が海の重要性を認知し、海運と海技者を理解して応援することに尽きます。17世紀のロンドンのロイズ・コーヒーハウスから海上保険が発展したように、海洋会にあらゆる人々が集い、その中から次世代の海技者が育つ場を目指して励みます。皆様のご理解と叱咤をお願いいたします。
略歴:昭和41年・東京商船大学航海科(14回生)卒業、(株)商船三井入社、海務課・船員課・横浜支店勤務、平成9年・横須賀水先人就業、東京湾水先人会理事、日本水先人会連合会理事を経て現在に至る。
以上