東京商船大学(現・東京海洋大学)のOBを中心に、三浦按針が日本初の洋式帆船を建造した静岡県伊東市に働きかけ、今年8月10日に予定されている按針祭(本祭)でのパネル展と講演会が開催されることになった。
今回の取り組みは、三浦按針(William Adams)が中世日本の外交や海運・造船に果たした役割や近世の近代化につながる意義を再評価しようとする動きに呼応するものである。特に今回は、按針の功績・影響が、現代日本にも繋がっていることを海事関係者からの視点で捉えたいと考えている。
海洋会の会員のみなさんには、パネル展と講演会へのご協力やご意見をお願いしたい。
記
1.期間 : 平成30年8月4日(土)~8月10日(金)
2.場所 : 伊東市ふれあいセンター(所在地 静岡県伊東市松川町5-10)
3.内容 : パネル展と講演会(動画コーナーも予定) ==> 按針祭お知らせ資料.PDF
<<講演会・パネル展の様子を示す写真を添付しました(皆様のご協力ありがとうございました。>>
◎藤田 浩一(東京商船大学 航海科19回生)様より、2018年8月28日付けにて
按針祭の報告が寄せられましたので、以下の通り、掲載致します。
=> 「報告書」三浦按針講演会@伊東ふれあいセンター3階(2018年8月4日、5日、10日)
(1)三浦按針パネル展 (ふれあいセンター2階)
・日時 8/4~8/10
・時間 10:00~16:00
・内容 三浦按針は、日本初の洋式帆船を建造しましたが、建造地として、なぜ伊東が選ばれたか?
造船は、どのような方法で?などの謎に、海事関係者の視点で迫ります。
按針と徳川家康との出会いから、按針が日本に与えた影響と功績を、映像と画像で紹介します。
帆船のペーパークラフト(限定数)も用意しています。
(2)三浦按針講演会 (ふれあいセンター3階)
・日時 8/4・8/5、8/10
・時間 13:00~16:00
・内容 按針の航海、伊豆の船大工の功績、現代の女性水先人の紹介、帆船の魅力など、海事関係に
スポット当てた講演会です。按針は、日本で初めて英文和訳を行った人物としても注目され
ています。講師には、大学教授、元船長、現役水先人、木工造船の専門家などをお招きし、
多角的に按針を再評価し新たな按針像を発見します。
(3)ペーパークラフト教室 (ふれあいセンター3階)
・日時 8/6(計画中、変更の可能性あり)
・時間 13:00~15:00
・内容 小中学生を対象に「按針が建造した西洋式帆船のペーパークラフト」(A4サイズ3枚)
を配布します。マニュアルがついていて約1時間で完成しますが、作り方教室で指導します。
4.連絡窓口 : 藤田 浩一(東京商船大学 航海科19回生)
Mail : fujita005@gmail.com
Tel : 090-2328-4089
8月4日(講演会後)、伊東市での商船大学同窓会を企画中。皆さん、是非このパネル・
講演会と共にお誘い合わせの上。ご参加をお願いします。
5.参考 : 三浦按針(William Adams)の果たした役割と足跡
William Adamsは極東を目指す航海で日本に漂着、江戸時代初期に徳川家康の外交顧問として仕えた航海士で、洋式船の建造や外国使節との面談、外交交渉時の通訳をする傍ら、幾何、数学、航海術などを日本に授けた。その後、三浦按針として250石の旗本に取り立てられ、相模国逸見(現・横須賀市逸見)に領地を得、日本の武士として生き、1620年5月に平戸(長崎県)で死去した。55歳だった。幕末黒船来航が、明治へと大きな転換を齎したとするならば、日本に近世の幕開けを齎したのは、家康と三浦按針と邂逅であったと言えるかもしれない。